ホンダナノスキマ

本棚の隙間です。主に漫画の感想です。

『ひばりの朝』は来るか

ひばりの朝 1 (Feelコミックス)

ひばりの朝 1 (Feelコミックス)

ひばりを暁の使者として、「朝はいつだ?」と問い詰める。この作品は、そうやって幕を開ける。開いた幕の向こうは、暗い。


14歳の少女ひばりを軸とし、彼女と交差した人物たちが、1話ごとにその語り手を担う。「いつもたいせつなものをみのが」してしまう鈍感で無神経な男、「誰かの人生の脇役」は嫌だから常に他人より上にいたい男、「おんなのこ」は「あたしとは違ういきもの」だと、女としての自分の価値を憂う女……。

そうやって、彼らはそれぞれの暗い夜のなかにいる。各話のトビラは、だから黒く塗り潰されている。自分の夜明けは近いと信じていた者も、ひばりと関わることで、いまだ深い夜のなかにいることを思い知る。各話の最終ページは、だから黒く塗り潰されている。

それで、彼らはひばりに問う。「朝はいつだ?」と。ひばりが、どこにいるのか見ようともせずに。


1巻の最終話、彼らではなく、ひばりが語る。彼女の独白とともに、3ページかけてゆっくりと夜に侵食されて、最後のコマは、やはり黒く塗り潰されて終わる。ひばりも、夜の帳のなかにいる。

こうして、各話のトビラと最終ページは、夜から夜へと話をつなぐ。ただし、一番最初のトビラは第1話のそれではなく、『ひばりの朝』という作品のトビラだ。だからこの作品の最終ページは、「朝はいつだ?」という問いに呼応するだろう。

それは、黒く塗り潰されたままだろうか。それとも、暁を迎えるだろうか。そのときひばりは、どんな声で啼くのだろうか。


ということで、続きが気になって仕方がない『ひばりの朝』。オススメです(「talk.4」のトビラと最終ページがともに真っ白なのは、わかってるので言わないでください)。